勤務医が法人(合同会社や株式会社)を作る損益分岐点とタイミング

勤務医が合同会社や株式会社を作るメリットを知り、実際に自分も会社を作ろう!と思ったとき、どの程度の収入が見込めれば法人設立してよいのか悩みます。では、どれくらいの収益を上げられると法人化を検討したら良いでしょうか?

 

その答えとしては
@年30円くらい(勉強用)
A月20万円(年240万円)くらい
B月40-50万円くらい(年500-600万円)くらい
の3パターンがあると思います。

 

それぞれを解説します。

 

法人維持にかかる費用と法人の収入

法人の収益が0円の場合でも
・住民税(7万円)
・確定申告の税理士費用(最安でも10万円-20万円)
を支払わなければならないため、収入が0の場合は、手持ちのお金から支払わなければなりません。

 

 

そして、勤務医だけで「給与所得ではない利益」を作っていくことは簡単ではありません。

 

例えば、普通の保険診療をするバイトでは給与所得となってしまうため、法人の収入に入れることはできません。以前は麻酔科の業務であれば法人にできる、というスキームが有名になりましたが、現在は判例で否認されています。

 

そうなると、
・本の印税
・講演会の報酬
・不動産
・投資
などが、誰でもできて、パッと思いつくものは、上記くらいになります。

 

 

年に20-30万円の利益の場合

年に20-30万円の利益の場合は、税理士に払う費用と住民税を合わせると、利益は残らず、ほとんど0円になります。個人で雑所得で申告したほうが手元に残りますので、50万円を超えていなければ赤字といっても良いでしょう。つまり、経済合理性はありません。

 

しかし、小規模企業共済を利用できる場合、特に夫婦ともに利用できる場合には、30万円近く得すると考えると、会社を作る価値はあります。

 

そして、なにより会社を作り、給料以外の収入と支出を考える経験を積めます。会社を作ったあとに、法人所得にできる収入がないか意識することで、自分の意識が広がり、思わずビジネスの扉が開く場合があります。

 

私の場合は、実際に月に40万円以上の純利益が出るようになってから法人化しましたが、その後にMRTなどの会社から法人収入にできるようなバイトを見つけることができたり、知り合いのツテで自宅でできる法人収益になる執筆のバイトを紹介してもらったりと、いろいろな機会に目が行くようになり、2か月でその2つを選択できるくらいになりました。

 

このように、実際に法人を作ることで、法人の利益にできる収入への意識が高まり、法人の収益が増える場合もあります。(実際に、バイト会社の案件をそういう目で見るだけで見つかるケースがあることに気が付くでしょう)

 

 

月20万円(年240万円)くらい利益が出た時点で会社を作る場合

900万円以上の給料がある人は所得税と住民税が高いです。そのため、別業で利益が増えた分を会社の法人税で払った方が、税金は安くなります。

 

それに加え、月20万円くらいになると、経費として利用することで、お得に暮らすことができます。例えば、年100-120万くらい(税理士と住民法人税で20万、日本医師会に入ると5万で自動的に医師賠償責任保険に加入でき、医学書や論文で15万分使い、携帯や通信費で24万―36万、パソコンで10万)の経費とすると、それでも120万円くらい会社に残ります。

 

かつ、今の月収より+10万円現金でもらえるのと同じ効果なので、懐は潤います。住居を法人名義の社宅にするとさらに良いでしょう。

 

 

月40-50万円くらい(年500-600万円)で法人の信用を上げる

法人名義で、来るべき不動産の買い時に、不動産の融資を引きたい場合、黒字法人で数年以上黒字で積み重ねると融資しやすくなると思います。

 

年利益500万―600万円は、個人事業主で仕事をしていた自営業の人が法人化するかどうかの損益分岐点で、「うまく経営できている」と見える一つの指標となります。

 

融資が全体に縮小し、不動産がお買い得になってくるような時期には、銀行も赤字法人には貸さないと思いますのでその時に数年分黒字の法人で不動産を購入するよう交渉したいと考え、法人しました。

 

この場合、必要最低限の経費は使うものの、目的としては黒字歴を積み重ねることを目的としているため、法人にどんどん利益を蓄積し、法人税をきちんと払っています。

 

 

まとめ

会社を運営するには、最低でも年20万円くらいかかります。

 

しかし、会社を作って経験したり事業者目線で収益を増やす場合(年20-30万の利益)や、経費利用して生活を潤すために法人を作ること(年200万前後)や、黒字法人で利益と社会的信用を貯める(年500万)場合の3パターンとも、良いタイミングです。

 

手間もあるため、私の場合は年500万から法人にしましたが、どの段階でも会社を作るメリットがあることを実感しています。

 

作ってみたい!と思ったら作ってみるのも手ではないでしょうか。